想い出のサマー・ナイツ Summer NightsSummer Nights 想い出のサマー・ナイツオリビア・ニュートン・ジョン Olivia Newton-John ■ ALTの選曲で取り組んだ「授業に歌を」 この曲はジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョン主演の78年米ミュージカル映画『グリース』(Grease)の挿入歌。高校1年のオーラルコミュニケーションのティームティーチング授業で夏休み直前に扱った。ALTとのコラボレーションで歌を扱ったのは初めて。ということで、海外経験の少ない私が歌の翻訳をする難しさを痛感したこと、勉強になったことも報告したい。 ■エピソード(その1):選曲で難航 イギリス政府の仕事でホームレスの人たちに仕事を斡旋する業務につき、その功績でエリザベス女王から勲章をもらったというアンさん。「遠くの国に行ってみたくて」この1月に日本にやってきた。日本語は来日後に勉強を始めた。 今回のオーラルの授業で「カラオケ」はどうかとアンさんがアイディアを出し、「みんなの年齢にはいいと思って」とこの曲を選んでくれた。しかし「生徒のレベル」「なじみ度」「歌いやすさ」を考えるに、この曲はかなり難しい。そこで高3の生徒に受けの良かった、エリック・クラプトンのChange the Worldを代案に薦めてみたのだが、「それはおじさん(クラプトンは50代)の歌。高1の生徒の年齢に合わない」と却下されてしまった。うーむ、その通りなのだが、ちょっと不安。でもアンさんが取り上げたい歌の方がいいのだと考えて決定。授業当日には3クラスで男女のパートにわけて懸命に歌唱指導してくれて「もう2度と歌いたくないわ」と言うほどだった。 ■エピソード(その2):CDの歌詞カードの「罠」 いつもは2分割(20名ずつ)で行っている授業をその日は合同で行うことになり、生粋の日本育ちの私(30代)とアメリカに5年住んだことのあるS先生(50代)、イギリス出身のアンさん(30代)の「日米英 3人態勢」での授業となった。 30代である私とアンさんにはなじみのあるオリビアの曲だが、50代のS先生にはまったく接点が無い。「今回は2人にお任せするわ」と最初から言われてしまった。「えー、そんな…」と思ったのだが、アンさんがインターネットから取ってくれた歌詞とCD附属の歌詞カードを見ながら、私が和訳を完成させた。わからないところは事前にチェックをうけたのだが、やはり歌詞カードにつられて英文・和訳のどちらも間違えてしまい、当日の訂正が4カ所もあった。その分、良い勉強になりましたが。 ■ああ勘違い(その1):bowling in the arcade arcadeの意味はCD歌詞カードにも「アーケード」と書いてあり、私はまったく気に留めていなかったが、アメリカ在住経験5年のS先生が「これはゲームセンターのことよ」とコメント、アンさんがamusement arcadeだと補足し、2人でうなずき合っていた。さすが米英コンビ、すばらしいナー。言われてみると「アーケードでボーリング」っていうのも変ですね。bowlingは「tenpin bowling」というアンさんのコメントもよかった。 ■ああ勘違い(その2):made out under the dock CD歌詞カードではwent outとなっていて、まず間違い。そしてmade out under the dockは「埠頭(pier)の下で浜辺の人目のつかないところでキスした」というアンさんの解説を聞いてさらにビックリ。make outは性的な意味で「しちゃった」ということ。授業では『ロングマン英英第3版』の意味に限定しておくと無難かな? make out (AmE) to kiss and touch someone in a sexual way (Longman 3ed.) (US Slang) to engage in sexual activity (OALD) ■ああ勘違い(その3):You donユt gotta brag. CD歌詞カードではdragとなっていて、これまた、間違い。bragはboast(自慢する)やshow off(見栄を張る)のような意味。「話の続きは聞きたいけれど、自慢はしないで」という意味。アンさんはThey are jealous.(焼き餅を焼いている)とコメント。 ■曲の魅力(その1):話が食い違っている面白さ アンさんの解説によると、夏のビーチで出会ったお嬢さんのSandyと不良少年Dannyの2人が一夏の恋をして、秋になってそれぞれの学校で、いつもつるんでいる友達(a gang of friends)に報告する。Sandyは女友達Pink Ladies(背文字つきピンクのジャケット着用)に、DannyはT-Birds(革ジャンで背中にT-Birdsの文字)に語るのだが、「2人の出会い方」が微妙に違う。Sandyは「彼はそばを通りかかって、私の水着をずぶぬれにした。彼は格好いいところを見せた」と彼の登場の仕方は夏の浜辺でよくあるパタン。ところがDannyは「彼女は僕のそばを泳いでいて、足をつった。僕は彼女を助けた。彼女は溺れかけていたんだ」とヒーローを気取っている。この読みとりはアンさんに説明してもらって初めてわかった。 また、全体として、お嬢さんのSandyは「手をつないだ」とソフトに報告、頭をグリースでテカテカにした不良少年Dannyは「浜辺でキスした」と具体例もあるけれど「彼女はいい感じで…、僕がいいたいこと、わかるだろう」とかなり思わせぶり。 ■曲の魅力(その2):関心事のずれ 友人の恋愛話に興味津々なのは男女ともにかわらないのだが、男友達は「かなり(2人の関係は)進んだのかい?」「彼女、女友達を紹介してくれるかな?」と、いじらしい感じがするが、女友達は「彼は車を持っていたの?」「彼はいくらお金を使ったの?」と即物的。こういうのは万国共通? ■アンさんと確認した脚注 have a blast: have fun get a cramp:(足や脇腹など)をつった put up a fight: 抵抗する fling: romance a drag「つまらないもの」: boring dough「パン生地」: money「お金」 最後に:アンさんは「新学期にはビデオで映画を見るといいですね」と言ってくれた。お疲れさまでした。All is well that ends well. 『オリビア・ニュートン・ジョン・スーパー・ベスト』CD番号 PHCA-122 Summer Nights 想い出のサマー・ナイツ オリビア・ニュートン・ジョン Olivia Newton-John Boys: 夏の恋は楽しかったよ Girls: 夏の恋はあっという間だったわ Boys: 僕に夢中な女の子にあった Girls: とってもかわいい男の子にあったの Both: 夏の日は、過ぎゆき オゥ・オゥ 夏の夜へ Boys: もっと教えてよ かなり(2人の関係は)進んだのかい? Girls: もっと教えてよ 彼は車を持っていたの? Boys: 彼女は僕のそばを泳いでいて、足をつった Girls: 彼はそばを通りかかって、私の水着をずぶぬれにした Boys: 僕は彼女を助けた。彼女は溺れかけていたんだ Girls: 彼はいいところを見せた、水しぶきをあげて… Both: 夏の太陽…、何かが始まっている。 オゥ・オゥ 夏の夜 Girls: もっと教えてよ 一目惚れなの? Boys: もっと教えてよ 彼女は抗[あらが]ったの? Boys: 彼女をゲームセンターのボーリングに連れて行った。 Girls: 2人で歩き回って、レモネードを飲んだ Boys: 船渠[ドック]の下でキスした。 Girls: 10時まで2人でいた Both: 夏のロマンス、どうってことはない でも、オゥ・オゥ 夏の夜 Boys: もっと教えてよ でも自慢はしなくていいからな Girls: もっと教えてよ だって、彼はつまらない人みたいね Girls: 彼はなれなれしくなって手を取ったわ Boys: 彼女は慣れてきて、砂に腰を下ろした Girls: 彼は優しくて、18歳になったばかり Boys: 彼女はいい感じで…、 僕がいいたいこと、わかるだろう Both: 夏の熱さ…、男の子と女の子が出会う オゥ・オゥ 夏の夜 Girls: もっと教えてよ 彼はいくらお金を使ったの? Boys: もっと教えてよ 彼女、女友達を紹介してくれるかな? Girls: 涼しくなってきた。そこで恋は終わる。 Boys: 僕は彼女に友達でいようって言った Girls: そして私たちは真実の愛を誓ったの Boys: 彼女、今ごろ何しているかな Both: 夏の夢は、継ぎ目で裂かれてしまった ああ、あの夏の夜 もっと教えてよ ジャンル別一覧
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